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Greater Magic 邦訳補遺集巻之壱

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1938年に出た奇術百科事典的名著『Greater Magic』（J・N・ヒリアード）には、1980年前後に第26章までを日本語化した邦訳版が存在します。しかし実際にはそのあとにはもう1冊分（原書で170ページ分程度）が存在します。それを訳しちゃおうかな、いちどきに出すのはつらいので60ページ分ずつくらいかな、ということで今回その1冊目というわけです。
角砂糖、マッチ、ロープといった古典感あふれる身近な素材から、アスベスト、濃硫酸、バンサイト（水と混ざるとアセチレンガスを生成する）といった昨今使うには若干ヤバめの道具も登場し、3種の色砂をたらいの水の中で混ぜ合わせ、そこから特定の色ごとに砂を、しかも乾いた状態で取り出すやーつ、はたまた観客に腕を握っていると感じさせながら実際には放す方法など、盛り沢山な内容です。
すぐにレパートリーにできるぞ！といったものは正直あまりないのですが、80年以上前のマジックはどのようなことが行われていたのか、どういう道具があったのかなど、欲張りさんの知的好奇心を満足すること請け合い（※個人の感想です）。いま演じると、本書の収録作品はだいたいが「見たことがない」「逆に新しい」となることでしょう。超面白かっこいいぜ！